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 三井物産など3社は2020年にも、スポーツやエンターテインメントなどの興行チケットで、客席1席ごとに異なる料金を設定する変動価格制(ダイナミックプライス)を始める。このほど日経コンピュータの取材で明らかになった。2023年にチケット1000万枚を販売し、取扱高で500億円を目指す。

 スタジアムの最前列や映画館の中段列、通路側の席など人気のある席は価格を高く、売れ行きの鈍い席は安く設定する。プロ野球やサッカーJリーグの一部で導入されている席種ごとのダイナミックプライスよりもさらに細分化して消費者の多様なニーズに応える。併せて、座席の稼働率やチケット販売収入の引き上げ、非公式のチケット2次流通サイトの対策といった興行主のニーズにも対応する。

(画像はイメージ、出所:123RF)
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 ダイナミックプライスで鍵を握るのは需要の変動に即応して適切な価格を設定するアルゴリズムである。ダイナミックプライスの導入で先行する航空業界やホテル業界と比べ、スポーツやエンターテインメントの興行は予測が難しいとされる。天候やチームの順位、想定される出場選手など価格変動の因子が多いからだ。

 この課題を解決するため、三井物産はダイナミックプライスの中核となる価格予測システムについて、米チケット販売大手のチケットマスター(Ticketmaster)や大リーグのニューヨーク・ヤンキースなどへの導入実績がある米マーケットシェア(Marketshare)からソースコードごと買い取った。このシステムを三井物産が日本向けに改修したうえで、2017年にプロ野球のソフトバンクホークスやヤクルトスワローズの公式戦、ハウステンボスの花火大会などで、それぞれ一部席種を対象にダイナミックプライスを試験導入した。

 発売後の需要変動を予測してチケット価格を上下に調整した。変動幅はおおむね上下とも3割程度だ。「稼働率はダイナミックプライスを導入していない席種より高くなり、売上高は導入前より10~30%高くなった」(三井物産の平田英人インターネットサービス事業部 新事業推進室室長補佐)。こうした実績を踏まえ、2018年に入るとオリックス・バファローズやサッカーJ1の横浜F・マリノスなどでもダイナミックプライスを導入した。