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 ハードの老朽化やデータセンターの集約によって、サーバーを新しい環境に移行しなければならない――。このようなケースは、多くのユーザー企業が直面する問題だ。

 GMOインターネットは、グループ全体でデータセンターの移設・集約に取り組んでいる。グループの1社であるGMOメディアもデータセンターの移設に伴い、サーバーの移設作業を余儀なくされた。移設対象は物理サーバー約450台で稼働するおよそ1000台の仮想マシンである。

 GMOメディアは、同社の主要サービスが稼働するサーバーの移設を2018年6月末に無事終える見通しだ。ただしここまでの移設作業は一筋縄ではいかなかった。パイロットプロジェクトを通じた移設方針の見直し、サーバー構築の自動化などの工夫により、厳しい移設スケジュールに対応した。

GMOメディアはサーバー移設に取り組んでいる
GMOメディアはサーバー移設に取り組んでいる
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 GMOメディアがデータセンターの集約を知らされたのは2017年1月のこと。サーバー移設プロジェクトの責任者である宇津井 大サービス開発部副部長が初めに考えたのは、「およそ450台のサーバーを一斉に移設するか、またはサービスごとに時期をずらして移設するかだった」。

GMOメディアの宇津井 大サービス開発部副部長
GMOメディアの宇津井 大サービス開発部副部長
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 GMOメディアは、PointTown(ポイントタウン)などのポイントサイトや、yaplog!(ヤプログ!)などのソーシャルメディアを手掛ける。サーバーの移設作業に伴うサービスの停止時間はなるべく少なくしたい。そこでまず、移設のスケジュールや移設時の提供サービスへの影響を見積もった。すると、「稼働できるエンジニアのリソースに限りがあるため、一斉に移設しようとすると最大2日間のサービス停止があり得る」(宇津井副部長)ことが判明した。

 この見積もりを踏まえて一斉移設は断念し、サービス単位で移設を進めることを決定。サービスごとに責任者を配置し、宇津井副部長が総責任者を担当する体制を敷いた。サーバーは可能な限りクラウドサービスへ移設し、大容量のファイルサーバーなどクラウドへの移行に適さないサーバーは新データセンターへ移設する方針とした。

2カ月と想定していた移設作業に4カ月かかる

 この段階での懸念材料は、各サービスの責任者にサーバー移設の経験者が少なかったことだ。そこで、各サービスの責任者8人と宇津井副部長でチームを構成し、パイロットプロジェクトとしてレンタル掲示板サービスを提供する「teacup.(ティーカップ)」のサーバーから、クラウドサービスへの移設を開始することにした。

 パイロットプロジェクトを選ぶ際のポイントは、「中規模なサービスを選ぶこと」(宇津井副部長)だ。いきなり大規模サービスを移設しようしてつまずいてしまうのは避けたい。しかし、小規模サービスで実施しても、以降のサーバー移設のために十分な経験が得られない。そこで、中規模なteacup.のサービスの移設から始めた。