日本企業にもAPI公開を働きかけ

 日本でも外部企業にAPIを通じてビジネスの機能を公開する企業は増えつつある。寺田倉庫は預けた荷物をクラウド上でも管理できるトランクサービス「minikura」の機能をAPIとして2015年に公開し、異業種などに活用を呼びかけている。金融業界では金融庁の法制度整備も後押しして、都市銀行を中心にAPIの公開が進んでいる。

 詳細はまだ明かせないとするが、平井副社長は「日本でもAPI提供を働きかける営業活動を進めている」と話す。ITベンダーなどによるソフトウエア機能の提供だけでなく、事業会社とも話を進めており、「Rakuten RapidAPIで順次、日本企業によるAPI公開も始まっていく。改めて発表したい」。企業のほか、自治体などが行政に関わるデータ情報を公開する「オープンデータ」についても、Rakuten RapidAPIに取り込んでいくとしている。

 APIを利用する開発者側への普及策についても、楽天の経営資源を生かせると見ている。例えば、Rakuten RapidAPIへのログインは楽天IDがそのまま利用でき、API利用料金も登録済みのクレジットカードで精算できる。クレジットカード払いのほか、Rakuten RapidAPIは日本企業からの要望が多い請求書払いにも対応した。こうした日本での法人向けビジネスの経験が、Rakuten RapidAPIの企業向けの展開で役立つとする。

Rakuten RapidAPIでの決済、利用料金説明の画面。料金は円建てで決済でき、クレジットカードのほか請求書払いにも対応する。
Rakuten RapidAPIでの決済、利用料金説明の画面。料金は円建てで決済でき、クレジットカードのほか請求書払いにも対応する。
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 企業が持つビジネスの機能やソフトウエア資産を流通させるAPIマーケットプレースの事業化はまだ始まったばかりだ。日本ではKDDIが2018年1月に発表したIoT(インターネット・オブ・シングズ)特化型のサービス「KDDI IoTクラウド API Market」や、AOSテクノロジーズが2018年3月に開始した「APIbank.jp」などの例があるが、楽天も含めて普及するかどうかはこれからが正念場だ。

 APIを提供する日本企業の参画を増やすとともに、開発者コミュニティをRapidAPIのエコシステムに取り込めるか。新サービスの普及は、楽天のテクノロジー企業としての実力が問われそうだ。