自動車部品大手の米ボルグワーナー(BorgWarner)が車両の電動化を商機に攻勢をかけている。同社はモーターとギアボックスを統合した小型の電気自動車(EV)パワートレーンを開発し、2017年から中国現地資本のEVメーカー2社に供給を始めた。従来品比で3割小さい。小型ながら、乗用EVと商用EVで共用できる出力を確保。あらゆる車格に供給を広げ、EVパワトレを収益の柱に育てたい考えだ。
モーターの出力は135kWで、最大トルクは約400N・mである。同社がドイツ・ダイムラー(Daimler)グループ傘下の三菱ふそうトラック・バスの小型EVトラック「eCanter」に供給する従来品と、同水準の性能を発揮する(関連記事:光るグループ戦略の妙、Daimlerはなぜ強い?)。
従来品からの変更点は、駆動用モーターとギアボックスを統合したこと。eCanterでは、駆動用モーター「HVH250」と変速機「eGearDrive」を組み合わせていた。モーターは、建設機械やフォークリフトなどに使う産業向けのモーターを流用し、開発コストを抑えている。
EVにおいてパワトレの小型化は最も重要な課題の一つ。「自動車メーカーから(小型化の)強い要求がある」(BorgWarner日本法人の開発担当者)。