パナソニックはホンダに車載用のリチウムイオン電池セルを供給する(図1)。セルを組み合わせて「交換式」の電池パックとし、ホンダが手掛けるスクータータイプの電気自動2輪車(EVバイク)や、小型の4輪電気自動車(EV)に搭載する。2018年7月13日に両社が共同で発表した。
まずは2018年12月からインドネシアで電池シェア(共有)の実証実験をはじめ、電池と車両の相性や使い勝手を確かめる。2輪車から4輪車まで幅広く手掛けるホンダと組み、車載電池で世界最大手に躍り出た中国・寧徳時代新能源科技(CATL)を追撃する。
交換式のリチウムイオン電池パックの名称は「Honda Mobile Power Pack(以下、モバイルパワーパック)」で、上部に持ち運び用の取っ手を設けている。
運びやすく使いやすく
質量は8kg前後を想定し、女性が片手で持ち運べるサイズにとどめる。パナソニックとホンダは「構成するセル数や電池容量などは未定」としているが、利便性を考慮すると1〜1.5kWhの容量になる可能性が高い。
電池を交換式にする利点は大きく三つある。(1)充電の待ち時間を短縮できること、(2)技術の進歩に合わせて電池を改良して載せ替えやすいこと、(3)一つの電池を多用途に使い回せるため、車両の購入費用を下げられること――である。