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 距離画像センサーの「LiDAR(Light Detection and Ranging)を手掛ける米国のベンチャー企業のセプトン・テクノロジーズ(Cepton Technologies)は2018年7月13日、報道関係者向けに技術説明会を開催した。同社が開発した自動車向けLiDAR「Vista LiDAR」の角度分解能は水平方向と垂直方向共に0.2度で、200m先を計測できるという(図1)。視野角は水平60度×垂直24度。価格は、購買数などの条件によるが「200ドル以下にできる」(同社)とする。同社はすでに、ティア1の5社、ティア2の3社を顧客に持つ。自動運転関連のスタートアップ20社とも取引があり、例えば米国のデトロイトで自動運転バスを運行するスタートアップ米may mobilityの車両に同社のLiDARが採用されたという。

図1 Ceptonが開発した自動車向けLiDAR「Vista LiDAR」
図1 Ceptonが開発した自動車向けLiDAR「Vista LiDAR」
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 LiDARは照射した光が、対象物に反射して戻るまでの時間から対象物の距離を測定するToF(Time of Flight)方式のセンサーである。CeptonのLiDARは光線(ビーム)を照射して、光線方向の測定を行い、ビーム走査(ビームステアリング)して順次、測定する方向を変えることで、距離画像を取得する。

 現在、製品化されているLiDARのほとんどは機械式であり、ビームの走査にモーターの回転を利用する。この方式は、垂直方向の解像度を上げるためにビームの本数を増やす必要があり、レーザー光源が複数個必要となる。そのためセンサー本体が高価になってしまっていた。

 同社はビームを走査する技術にモーターによる回転運動を採用せず、MMT(マイクロモーションテクノロジー)という独自技術を利用した。MMTについては、特許取得の手続きが未完了であることを理由に詳細を明らかにしなかったが、MMTを利用したLiDARは、モーターを利用する場合と比べて1/5のレーザー光源の数で同じ解像度を実現できたという。さらに、ビーム走査部をMMTとしたことで、LiDARの製造や光学系の調整を完全に自動化できたことも、生産コストの低減に寄与したという。Vista LiDARなど同社のLiDARの寿命は6万時間である。ただし、これはビーム走査を行うMMT以外の部品の寿命で決まったものであり、MMT自体の寿命によるものではないという。

事業の中心は日米欧の3地域

 現在、自動車向けのLiDARとして注目されているのは、半導体プロセスを使って製造できる光フェーズドアレーや、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を使ったLiDARである。自動車用途を狙い、各社が開発を行っている。これに対してCeptonは「自動車向けのMEMSやフェーズドアレーを利用したLiDARはまだ開発段階」(同社 Senior Director、Business developmentのWei Wei氏)として、既に市場に製品を投入済みである自社製品の優位を強調した(図2)。

 同社は現在、米国を中心に事業を展開しているが、今後は日本市場にも力を入れたいとする。中国については、「重要な市場だが、中国で自動車を生産しているのは欧米や日本のメーカー」(同氏)と話し、事業の中心は日米欧の3地域であるとした。

図2 Cepton Technologies Senior Director、Business developmentのWei Wei氏
図2 Cepton Technologies Senior Director、Business developmentのWei Wei氏
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