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 フリマアプリ最大手のメルカリが情報システム部門の未経験者集団から成る「新型IT部門」の整備を進めている。十数人のメンバーの中心は主力のフリマアプリなど顧客向けサービスを開発してきたエキスパートたち。目指すのは急成長する企業の人材や組織運営の課題をスタートアップの流儀で解決することだ。提供する機能を最小限にとどめるなどネット企業のサービス開発手法を実践。米フェイスブック(facebook)や米ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies)も模索する、「守りのIT」とも「攻めのIT」とも異なるシステム部門像を目指す。

 2018年7月に新設した組織の名称は「Corporate Solutions Engineering(CSE)」。前身となる組織を2018年1月に発足させ、現在のメンバーは13人だ。8月にも20人弱まで増やす計画だ。

柄沢聡太郎マネージャー(左端)をはじめとするCorporate Solutions Engineeringのメンバー
柄沢聡太郎マネージャー(左端)をはじめとするCorporate Solutions Engineeringのメンバー
(出所:メルカリ、以下同)
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 中核メンバーに情報システム部門の経験者はほとんどいない。トップを務める柄沢聡太郎マネージャーはグリーやヤフーなどを経て2015年にメルカリに入社し、サービス開発のトップやCTO(最高技術責任者)を務めてきた。他のメンバーも大半は柄沢マネージャーと同じくメルカリのサービス開発や、他のベンチャー企業で消費者向けスマホアプリやネットメディアの開発に携わってきた。

 実はメルカリにはCSEとは別に情報システム部門が存在する。CSEもメルカリの社内向けシステムを開発する点は同じだが、CSEが担うのは「組織の成長や人材マネジメントに関する課題を解決する役割」(柄沢マネージャー)である。具体的には人事評価や労務管理、経理処理に関するデータや管理プロセスの整備、必要な情報システムの開発、管理部門や現場の従業員の雑務を軽減する自動化などだ。一方、既存の情報システム部門の主な役割は会計システムの導入と運用など。人事や法務といった部門と合わせてバックオフィス業務が主体だった。

 CSEの成果物の代表例が人材データベース「Teams」だ。メルカリの組織と人材の情報を階層構造で管理し、各自のレポートライン(業務報告や指示命令の系統)や職種、習得しているプログラミング言語、関わっているプロジェクトにおける役割、正社員か契約社員かといった雇用形態などを一覧できる。最新の情報だけでなく、過去に遡り特定の日付における「組織のスナップショット」(柄沢マネージャー)を自由に閲覧できる。Teamsの情報を人事評価に反映させるためのシステム「Reviews」も開発した。

Teamsの画面例
Teamsの画面例
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 CSEが取り組む人事評価や労務管理は従来、「人間の手作業、力技で処理していた」(同)。例えば各従業員が入社してから現在までのレポートラインや職種は表計算ソフトで従業員ごとの表を作って記録していた。