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 台湾の2輪車メーカーで最大手のキムコ(Kwang Yang Motor Co、以下、KYMCO)は、後輪に駆動用のインホイールモーター(IWM)を搭載した小型の電気自動車(EV)バイクを開発した(図1、2)。IWMは自社開発の内製品。コスト競争力に優れる安価なIWMを実現し、台湾・高雄市の工場で車両と共に生産する。まずは2018年10月に台湾で搭載車両を発売する予定。今後3年間のうちに、中国やインドといった他地域への投入を計画している。

図1 KYMCOが内製するインホイールモーター(IWM)
図1 KYMCOが内製するインホイールモーター(IWM)
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図2 小型のEVバイク「Nice 100 EV」にIWMを搭載
図2 小型のEVバイク「Nice 100 EV」にIWMを搭載
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 KYMCOが投入する車両はスクータータイプで、「Nice 100 EV」という名称で売り出す。車両寸法は全長1710×全幅650×全高1010mmと小さく、ホイールベースは1200mm。車両質量は87kgで、日本勢が手掛けるガソリン仕様の第一種原動機付き自転車(原付一種)に比べて1割ほど重い。最高速度は45km/hとしている。

高いコスト競争力

 搭載するIWMの最高出力は1.5kW、最大トルクは50N・mである。出力の小さいモーターはインホイールに向く。内部に組み込んだ遊星ギアを使って減速させるため、通常は別途組み合わせる減速用のギアを省くことができる。部品点数を減らしやすく、小さく軽く造れる。後輪のホイール内部に収めやすい。「IWMは通常の駆動用モーターに比べて安価に生産できる。車両のコストを抑えられる」(KYMCO)という。

 一方で、出力が上がるとモーターの大型化でホイールが重くなる。ホイールを支えるスイングアームや、ボディー骨格までを太く補強する必要があり、インホイールのメリットは薄れる。

 KYMCOによると「現行の技術でIWMにできる出力は2kWまで」という。2kWを超える出力が必要なEVバイクには一般的な外付けモーターを使う。例えば、同社がNice 100 EVよりも2カ月早い投入を決めている「Many 110 EV」はIWMではなく、後輪の車軸とモーターの駆動軸の距離を10〜15cmほど離し、その間に数個の減速用ギアを組み合わせてつなぐ。最高出力は3.2kWと、Nice 100 EVに載せるIWMの2倍以上となっている。一方で、最大トルクは16.5N・mと小さい(関連記事:1500カ所の充電拠点を整備、2輪車メーカーが電池「交換式」に本格参入)。