PR

 総務省の有識者検討会は2018年7月13日、NHKが2019年開始を計画しているテレビ放送のインターネット常時同時配信を条件付きで容認する報告書案をまとめた。解禁には「受信料の体系・水準の見直し」が必要と明記し、受信料の引き下げを求めた。

 総務省が中心となり2015年に設置した「放送を巡る諸課題に関する検討会」が、第二次取りまとめ案として報告した。報告書案は、NHKが放送の補完として常時同時配信を実施することには一定の合理性と妥当性があるとした。一方で、NHKに民放各社や他事業者などとの連携や、情報公開などによる透明性の確保に努めることを求めた。NHKの業務や受信料の体系・水準について継続的な見直しが必要とし、実質的に受信料の引き下げを迫った。

 現行の放送法は、NHKがすべての番組を放送と同時にインターネット配信することを認めていない。NHKでは2020年の東京五輪を見据え、2019年度に常時ネット同時配信を開始したい構え。一方、約7000億円という受信料収入があるNHKが、民放に先駆けてコストのかかる常時ネット配信に参入することの不公平感を問題視する声が上がったほか、ネット配信の普及で民放地方局の事業モデルが崩壊することを懸念した民放各社が解禁に反発し、議論は平行線をたどる局面もあった。

 小林史明総務大臣政務官は「テレビで映像を視聴する層が少なくなっている今、公共放送という観点からスマートフォンなどでコンテンツが見られるということについては妥当性がある」とする一方、「NHKの経営の健全性や国民への情報公開など足りていないところは、今後NHKの対応を慎重に注視する」と話す。

 今後NHKは2019年度のサービス開始に向けて急ピッチで対応を練る必要がある。「どのような粒度でどういった実行案をいつ出してくるのか。放送法の改正を考えれば時間はあまりない」(小林氏)。