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 「TOYO TIRES(トーヨータイヤ)」ブランドで知られる東洋ゴム工業は、タイヤに起因する騒音を削減する技術を開発した(図1)。荒れた路面を走行した時の「コー」という低い音や、道路の継ぎ目を通り過ぎる際に発生する「パカン、パカン」という煩わしいロードノイズを、最大で75%減らせる。快適な車内空間の実現に貢献する。2019年初旬に発売するタイヤに同技術を適用する見通し。

図1 東洋ゴム工業が開発したロードノイズを最大75%削減できるタイヤ技術
図1 東洋ゴム工業が開発したロードノイズを最大75%削減できるタイヤ技術
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 走行中に発生する騒音でタイヤが起因するものは大きく二つある。一つは、路面の凹凸によってタイヤが揺れて、車軸まで振動が伝わることで発生するロードノイズ。もう一つは、タイヤと路面間で発生した音がボディーやウインドーなどを通して車内に伝わるパターンノイズだ。

 二つある騒音のうち、東洋ゴムが目指したのはロードノイズの削減だ。タイヤ接地面の形状により大小が決まるパターンノイズに対して、ロードノイズはタイヤ内部の空気の振動を原因の一つとする。太鼓のように空気が内部で共鳴する「空洞共鳴」と呼ぶ現象が騒音を引き起こす。これまで削減が難しく、改良の余地が大きいとみた。

 同社が着目したのはタイヤ内部の空気の流れ。流体シミュレーションを重ねることで、回転中のタイヤ内部で空気がどのように動いているのかを可視化することに成功。回転する周方向の流れと、中心に向かう垂直方向の二つの流れが存在することを突き止めた。空気の流れが分かれば、共鳴して発生する音の流れも分かる。

穴を通して騒音削減

 空洞共鳴を減らしてロードノイズを抑えるために開発したのが、タイヤの内周に沿って貼り付けるポリウレタン製の装置である(図2)。多孔フィルムと円筒状のスポンジ16個を組み合わせた。スポンジの質量は1個あたり10〜12gで、一般的な工業用に比べて耐久性が高いポリウレタンを採用している。スポンジで多孔フィルムを垂直方向に引っ張って“山なり”にする。共鳴した音が多孔フィルムとスポンジに触れる面積を増やす。

図2 多孔フィルムと円筒状のスポンジを組み合わせてタイヤの内周に沿って貼り付ける(出所:東洋ゴム工業)
図2 多孔フィルムと円筒状のスポンジを組み合わせてタイヤの内周に沿って貼り付ける(出所:東洋ゴム工業)
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