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 「日本から輸出するカムリで1台当たり6000ドル、米国生産のカムリでも部品の輸入分で1800ドルのコスト増加になる」──。トヨタ自動車専務役員の白柳正義氏は、2018年8月3日に開いた2018年度第1四半期の連結決算会見で、米トランプ政権が導入を検討している輸入車の追加関税問題に触れ、関税が25%に上昇した場合のコスト増加の試算を示した(図1)。

トヨタ自動車専務役員の白柳正義氏
図1 トヨタ自動車専務役員の白柳正義氏
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 トランプ政権は、米国に輸入される自動車や自動車部品に追加関税を課す検討を進めている。輸入車については現在2.5%の関税を、25%に引き上げる案が浮上。トヨタは2017年に、日本から約70万台を米国に輸出した。2018年も、同程度の輸出を計画する。25%の追加関税が発動された場合、単純に計算すると日本からの輸出だけでも約42億ドル(1ドル=112円換算で約4700億円)のコスト増加になる可能性がある。

 追加関税が発動された場合、米国への輸出を減らして現地生産を増やすといった対策が考えられる。現在、トヨタは米国に10カ所の製造拠点を持っているが、「現時点で生産能力を増強する余裕はない」(白柳氏)とした。また、同社副社長の吉田守孝氏は、「原価低減活動を強化するが、追加関税によるコスト増加分の全てを当社で吸収するのは難しい」と述べた(図2)。吸収できなかったコスト増加分を、価格に転嫁する可能性があることを示唆した。

トヨタ自動車副社長の吉田守孝氏
図2 トヨタ自動車副社長の吉田守孝氏
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 なお、追加関税が発動された場合の影響については、日産自動車もトヨタと同水準のコスト増加になると試算している(関連記事)