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 地方創生にVR(Virtual Reality)を活用した取り組みをNTTドコモが進めている。同社は以前から複数のスマートフォンへ360度映像を同時配信する技術を開発しており、VR用のヘッドマウントディスプレー(HMD)と360度映像を使用した実証実験を重ねてきた。同社 法人ビジネス本部法人ビジネス戦略部2020・地方創生営業推進担当課長の望月謙氏は、地方創生のポイントとして「観光」「移住促進」「物産品販売」の3つを挙げ、それぞれの実証実験で効果を感じているという。

NTTドコモ 法人ビジネス本部法人ビジネス戦略部2020・地方創生営業推進担当課長の望月謙氏
NTTドコモ 法人ビジネス本部法人ビジネス戦略部2020・地方創生営業推進担当課長の望月謙氏
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VRで地方の伝統行事をプロモーション

 観光施策では、360度映像とVRを使用して地方・地域の行事を体験させる取り組みを実施した。2017年7月には、ユネスコ無形文化遺産に登録されている福岡市の伝統行事「博多祇園山笠」の様子を東京プリンスホテルに配信した。360度映像を遠隔地で見るだけでは観光になるとは考えていないが、現地で参加したいという意欲を高めることで、多くの観光客の流入につながるプロモーションになると、望月氏は期待する。

「博多祇園山笠」ライブ配信の実証実験イメージ図
「博多祇園山笠」ライブ配信の実証実験イメージ図
(出所:NTTドコモ)
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 VRを使うことで、現地に行きたくても行けない人が体験できるという効果もある。同年8月には、東京・高円寺で開催された「東京高円寺阿波おどり」の様子を福島県南相馬市や台湾・台南市の台南大遠百デパートに配信した。杉並区は友好関係にある台湾・台北市や新北市で阿波おどりの公演を実施するなど、阿波おどりを通じた交流イベントを開催している。実証実験では、イベントの雰囲気を体験してもらうために東京からの生配信に挑戦した。台南大遠百デパートではおよそ200~300人が体験し、「デパートの集客にもつながるとして継続的な実施の要望があった」(望月氏)という。今後も、地方・地域の行事を遠隔地に配信するイベントを続けていく予定だ。

「東京高円寺阿波おどり」ライブ配信の実証実験イメージ図
「東京高円寺阿波おどり」ライブ配信の実証実験イメージ図
(出所:NTTドコモ)
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地方企業の転職イベントをVRで

 移住促進施策では、転職イベントをVRで実施した。地方で開催される転職イベントに合わせて、東京から現地の企業の雰囲気を体感してもらうために、VRによる企業訪問を実施した。2台のカメラを組み合わせて前方180度の立体視に対応し、音声通話ソフトウエアを使用してリアルタイムで社員と会話できる。2017年11月に福岡県の企業で実施し、2018年3月には和歌山県の企業で実施した。和歌山県のイベントでは、約50人の参加者のうち既に3人の転職が決定し、「期待値を上回る結果が得られた」(望月氏)という。

和歌山県の企業で実施したリアルタイムVR企業訪問の実証実験イメージ図
和歌山県の企業で実施したリアルタイムVR企業訪問の実証実験イメージ図
(出所:シビレ)
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