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 米ネットフリックスの日本法人は2018年8月23日、動画配信サービスの月額料金を最大350円引き上げると発表した。2015年9月に日本でサービスを始めて以来、値上げは初めて。やみくもに数を追わず、価格を上げても利用を継続する優良会員を重視する戦略が透けてみえる。動画配信サービスの競争が激しさを増すなか、ネットフリックスの強気な戦略は吉と出るか。

ネットフリックスは日本で初めて値上げする
ネットフリックスは日本で初めて値上げする
(出所:米ネットフリックス日本法人)
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 「日本市場は数を追わずにプレミアム会員の定着を重視する一方、人口が多くライバルが少ない他のアジア諸国では低価格路線を打ち出し、市場制圧を狙う戦略のようだ」。ネットフリックスの値上げの一報を聞いた、あるテレビ局幹部はこう漏らした。

 ネットフリックスは「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の全3プランをそれぞれ150~350円値上げする。例えば、高画質の4K動画がみられるプレミアムは従来の税別1450円から同1800円に350円引き上げる。

表 月額料金プランの概要(価格は税別)
従来 新料金 サービスの中身
ベーシック 650円 800円 標準画質、同時視聴1台
スタンダード 950円 1200円 高画質、同時視聴2台まで
プレミアム 1450円 1800円 超高画質、同時視聴4台まで

 同社は値上げの狙いについて、独自コンテンツなどへの投資を増やすためとする。ネットフリックスだけでしか見られない有力コンテンツを増やし、利用者の定着を促す戦略だ。グローバルでみると、ネットフリックスは2018年、コンテンツ制作に80億ドル(8800億円)以上を投じる計画だ。

 今回、日本での値上げを決断した背景には、米国での成功体験もありそうだ。米国では何度か値上げしており、今はベーシック7.99ドル、スタンダード10.99ドル、プレミアム13.99ドルだ。「ネットフリックスは米国で値上げしてびくともしなかったから、日本でも値上げのマイナスの影響は限られるとみているようだ」(テレビ局幹部)。