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 米マサチューセッツ工科大学(MIT)は、ドローンや地上走行するロボットなどの自律移動に向けたIC「Navion」を開発し、2018年8月に開催されたプロセッサー関連の国際会議「Hot Chips 30」で発表した。中でも、手のひらサイズの小型ドローンでの利用を想定する。小型ドローンでは、2次電池の容量が少なく、低い消費電力が求められる。

登壇した、MIT EECS(Department of Electrical Engineering and Computer Science) ProfessorのVivienne Sze氏
登壇した、MIT EECS(Department of Electrical Engineering and Computer Science) ProfessorのVivienne Sze氏
(撮影:日経 xTECH)
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 自律飛行では、自己位置を推定し、どこにどのようにして動くかその軌道を決めた後、機体を制御する。この一連の流れの中で、自己位置推定に高い演算処理性能が求められるものの、小型ドローンでは2次電池の容量が限られるために、消費電力の大きなMPUやGPUを搭載するのが難しかったという。例えば、100mgクラスの昆虫サイズの小型ドローンの場合、離陸に100mW、センシングに100mWとmWオーダーの消費電力に抑える必要がある一方で、一般的なMPUやGPUは10~100Wと消費電力が大きく、適用が難しいとのことだった。

 そこで、消費電力を抑えつつ、自己位置推定(ローカライゼーション)と周辺の3次元(3D)地図の作成(マッピング)を行えるICを開発した。欧州のロボット競技会「EuRoC」における、MAV(Micro Aerial Vehicle)用のデータセットを利用して同ICを評価したところ、最小2mWの平均消費電力で、軌道誤差(Trajectory Error)を0.27%にとどめたという。英ArmのCortex A15では、同誤差0.22%と若干低いものの、消費電力は平均2.4Wと大きかったとする。

「EuRoC」における、MAV用データセットを利用して評価した場合の開発ICとMPUなどとの比較
「EuRoC」における、MAV用データセットを利用して評価した場合の開発ICとMPUなどとの比較
(図:Hot Chips 30でのMITの講演スライド)
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