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 フランス・ミシュラン(Michelin)は、トラックやバス向けのタイヤで、接地面の溝を“再生”する事業に力を入れる。摩耗したタイヤに新しいゴム層を巻き付けて張り替える「リトレッド」と、人力で溝を削り直す「リグルーブ」が二つの柱だ。リトレッドの場合、新品のタイヤに交換する場合と比べて約4割のコストを削減できる。事業コストの約5割を占める人件費が運転者不足で高騰する中、メンテナンス費の削減という切り口から物流事業者を助ける(関連記事:特集 商用車クライシス)。

Michelinがリトレッドの生産を委託する新潟県糸魚川市の工場
Michelinがリトレッドの生産を委託する新潟県糸魚川市の工場
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 リトレッドしたタイヤの転がり抵抗値は新品と同程度。タイヤの土台にあたるケーシングの真円度もほぼ同じとし、新品に比べても性能は落ちない。リトレッドの方式は大きく二つ。摩耗したタイヤにあらかじめ溝を付けたゴム層を巻き付ける「プレキュア方式」と、溝の形状を掘った金型で加硫して成形する「リモールド方式」だ。

 Michelinは新潟県糸魚川市に構えるタイヤ再生工場にリトレッド工程を委託し、ここではプレキュア方式を採用している。金型をはじめとする大がかりな設備を必要とせず、低コストで造れる特徴があるからだ。同工場には「TOYO TIRES(トーヨータイヤ)」ブランドを手掛ける東洋ゴム工業もリトレッド工程を委託しているが、こちらはタイヤの種類に応じて両方式を使い分けている。

 Michelinが採用するプレキュア方式は大きく五つの工程から成る。(1)事前検査、(2)修復、(3)巻き付け、(4)加硫、(5)最終検査――である。

 まずは事前検査だ。タイヤを自動洗浄機やブラシを使って水洗いし、乾燥室で水分を飛ばす。釘穴検査機で穴の有無を確認する。この時、タイヤの内側にのれん状の部品を仕掛けて高電圧を流す。穴や傷があると「バチバチ」と音を出すという。釘穴検査を済ませたら、超音波で部材間の剥離を探したり、目視によって変形の有無を確認したりする。

加硫工程
加硫工程
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加硫後の接地面
加硫後の接地面
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