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 富士通はサーバーを丸ごと液体に浸して冷却する液浸冷却システムの販売に乗り出す。近く発売し、2018年11月末に提供を始める見込み。これまで液浸冷却システムを手掛けるベンチャー企業はあったが、大手コンピュータメーカーが本格的に参入するのは初めて。冷却にかかる消費電力を空冷式に比べて約8割削減できる。サーバーを高密度に実装する用途や静音性を重視する用途に向ける。

 独自設計の液浸槽と冷媒循環ユニットを開発した。サーバーラックの正面を真上に向けたような構造を採用し、ラックマウント型のサーバーやストレージ装置、ネットワークスイッチを上から差し込んで設置する。液浸槽のサーバー収納スペースは24Uで、外形寸法は幅1.33m×奥行き0.85m×高さ0.88m。

富士通が近く発売する液浸冷却システム
富士通が近く発売する液浸冷却システム
(出所:富士通)
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 液浸槽に米素材大手スリーエム(3M)のフッ素系冷媒「フロリナート」を満たし、サーバーから熱を奪った冷媒を循環ユニットで冷やして再供給する。冷媒はセ氏35度程度まで冷やせば良いため、冷媒の熱を移す冷水を供給するための冷凍機はほとんどの地域で不要だ。冷却能力は液浸槽1台当たり約60キロワットで、冷却能力が10キロワット程度の空冷システムや40キロワット程度の水冷システムに比べてサーバーを高密度に実装できる。

 価格は液浸槽1台と冷媒、冷媒循環ユニットを含めて約2000万円。液浸槽を密閉式にして、高価な冷媒の揮発量を年間1%程度に抑えた。冷媒の補充を含めたサポート費用は通常のサーバーと同程度にする。

 富士通は2015年、スーパーコンピュータ向けの液浸冷却システムを手掛けるExaScaler(エクサスケーラー)にコーポレートベンチャーキャピタルを通じて出資した。超高密度をめざすExaScalerの技術は、独自構造の高密度な計算モジュールを液浸槽に収める方式だった。これに対し、富士通は信頼性や利用しやすさの観点から、通常のラックに収める品種と同形状のサーバーを使える独自の設計を選んだ。