水の中で、白い“イクラ”がゆっくりと浮いたり沈んだりしている――。北海道科学大学は、イースト菌の発酵を利用して水中で自律的に浮き沈みを繰り返すゲルビーズを開発、「イノベーション・ジャパン2018」(2018年8月30~31日、東京ビッグサイト)で展示した。ビーズ状のゲルに吸着素材を合成すれば、河川や湖沼、大型タンクなどの水質を浄化するシステムを撹拌(かくはん)機構なしに実現できるほか、発光材料などを組み合わせた“癒し系”インテリアなど、様々な用途に応用できるとみる。

 同大学のブースでは、シリンダー状の水槽の中をゲルビーズが自律浮沈する様子を展示した。ゲルビーズは、人工イクラの原料などに使われるアルギン酸にイースト菌を混入して作成したゲルをビーズ状に加工したもの。

北海道科学大学の展示ブースの様子
北海道科学大学の展示ブースの様子
左のパネルの手前にあるシリンダー型水槽の中で、ゲルビーズが回遊している
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 浮き沈みの仕組みはシンプルだ。まず、水中に投入したビーズは自重で沈む。一定の時間が経つと、イースト菌が発酵して二酸化炭素の気泡が内部に発生する。この気泡によって、水より比重が小さくなったビーズは、水面に浮かび上がっていく。水面に到達すると気泡が空気中に放出されて比重が大きくなり、ビーズは再び水の底に沈んでいく。このサイクルを繰り返すことで、水槽内におけるビーズの鉛直回遊を実現した。