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 仙台高等専門学校と大分工業高等専門学校のグループは、地中に埋まった物体の材質をディープラーニング(深層学習)で識別する技術を、「イノベーション・ジャパン2018」(2018年8月30~31日、東京ビッグサイト)で見せた。地中やコンクリート内部を非破壊で探査できる「地中レーダー」の画像を解析して、埋没物の位置や大きさ、材質を識別する。災害時の救助活動での活用を目指すほか、橋梁などのコンクリート建造物内部の劣化状態検査にも応用できるとみる。

 地中レーダーは、地中に電波を送信して得られる反射波を解析して地下の埋没物や内部構造を計測する装置である。東日本大震災の被災地では、警察やボランティアが地中レーダーを用いて行方不明者の捜索を実施している。仙台高等専門学校 総合工学科 知能エレクトロニクス工学科 教授の園田潤氏によれば、地中の物体が何であるかをレーダー画像から目視で見分けるのは困難で、行方不明者捜索の現場では「レーダーがモノを検知したら、それが何か分からなくても、とにかく掘る」という運用が一般的だという。

ブースで展示した説明パネル
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ブースで展示した説明パネル
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ブースで展示した説明パネル

 そこで、園田教授らのグループは、地中レーダー画像から埋没物の「材質」「位置」「大きさ」を検出する深層学習モデルを開発した。材質分類は、物質によって比誘電率が異なるために生じる反射波の強度やパターンの違いを利用して、「土」「木」「金属」「空洞」などに分類する。地中の内部構造が既知のレーダー画像を大量に用意することは困難なので、コンピューター上の電磁界シミュレーションで作成した20万枚を教師データとして利用した。埋没物は、長辺が最大20cmの直方体を想定し、深さは最大50cmに設定した。