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振動に合わせて発電デバイスを最適化

 これらの処理をまかなう電力は、東芝の振動発電モジュールから得て、電気2重層キャパシタに蓄えた上で監視モジュール子機などに供給する。実際には1次電池も搭載するが、実験では1次電池の電力を使ったのは起動時と5分後のFFT処理のときだけで、それ以降は振動発電の電力でカバーできた。「1次電池交換の頻度を延ばして、例えば4年に一度の重要部検査の際に交換すれば済むようにできるのでは」(鉄道総研)という。

 この振動発電モジュールは「従来の2倍の発電量を持つ」(東芝)。振動発電機は内部の振動子が上下に動き、固定子との間の電磁誘導によって発電する仕組み(図2)。ここで振動発電機に整流変圧回路を組み合わせて振動発電モジュールを構成し、整流変圧回路は振動発電機から見たときの抵抗を任意に調整可能にした(図3)。この抵抗を変えると振動発電機内の振動子の挙動が変わることから、発電量も変化する。鉄道総研の実験線で得た車両走行時の振動に合わせて抵抗を最適値にすると、発電電力を従来比で2倍に増やせた。

図2 振動発電機の構造
図2 振動発電機の構造
振動子が上下に動き、固定子との間の電磁誘導によって発電する。出所:東芝
図3 東芝による振動発電機の試作機
図3 東芝による振動発電機の試作機
鉄道技術フォーラム2018での展示。
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 東芝は今後、耐久性の向上などを図った上で、実用システムへの適用を目指したいという。鉄道総研は、台車と車体を結ぶケーブルが不要なことから既存車両に対しても適用可能であることを生かし、台車の検査対象の選定や検査代替のためのデータ収集に使えるようにしていく考え。