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 ヒトが思いつかないような結果を出せると期待が高いAI。一方でブラックボックス内で処理されるため、その結果の信頼性に不安を抱く声も大きい。富士通研究所の研究者が、自ら開発した機械学習ベースのIC設計ソフトウエア(EDAツール)が現場で使われるようになった経緯に関して、「DAシンポジウム2018」(8月29日〜31日に石川県で開催、関連記事)で講演した。

図1●登壇した新田泉氏。日経 xTECHが撮影
図1●登壇した新田泉氏。日経 xTECHが撮影

 登壇したのは、富士通研究所の新田泉氏(知能情報処理研究所 人工知能研究センター 人工知能基盤PJ)である。講演順序とは逆になるが、最初に結論を紹介する。同氏が開発したAIベースのEDAツールが現場に受け入れられたのは、AIが出した結果を説明する機能を追加したからである。富士通と富士通研は、AIの開発や適用に長年携わってきたが、最近、AIが出した結果を説明する機能の開発に力を入れている。富士通研が1年ほど前に開いた「2017年度研究開発戦略説明会」では、代表取締役社長の佐々木 繁氏が「推論した理由を説明できる技術を開発し、ディープラーニングの実用化を加速できるようにした」と述べていた(関連記事1)。

図2●機械学習では説明機能がホットな課題に。富士通研のスライド
図2●機械学習では説明機能がホットな課題に。富士通研のスライド
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 今回、新田氏が最後に見せたスライドによれば、結果を出すための機械学習技術は一定のレベルに達しており、その普及に向けて重要なことは説明機能の開発だとしていた。同氏の開発は数年前に実用化されており、説明機能の開発の先行事例と言えよう。その成果が評価されたようで、同氏は現在、富士通研究所で、IC設計とは別の分野でのAI関連の開発に取り組んでいるとのことだった。