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日本の産学官連携活動は一定の成果を収めつつある

 こうしたデータから「米国で大学発ベンチャー企業などの創業が盛んである事実が、技術移転先の分析から分かる」(山本氏)と説明した。日米の技術移転先の傾向の違いは日本と米国の産学連携の質の違いを端的に示しているといえる。

技術移転の2016年実績(元データは「大学技術移転サーベイ 2017年版」)
技術移転の2016年実績(元データは「大学技術移転サーベイ 2017年版」)
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 なお、山本氏は最新の「2017年版」のデータを引用し、「発明届け出件数が対前年比3.2%増、技術移転実績を示す『正味ライセンス収入』は28億8724万円と対前年比17.7%増と伸びる好調さを報告した(表1)。また、図1で2013年度以降に大学などのロイヤリティーの収⼊項⽬に「株式関連の収入」が登場するのは、TLOや大学が大学発ベンチャー企業の創業時などに、技術移転の対価として未公開株を受け取るケースが出てきたことを示すと解説。これからの技術移転事業の新しい動きを示唆しているという。

 1998年のTLO法施行を契機に国内では、日本版バイドール法、国立大学の法人化、知的財産本部の設置(実際の名称は各大学で異なる)といった法と体制が整備され、技術移転を円滑に進められる体制作りが進められてきた。「産学連携と技術移転の環境が次々と整い、日本の産学官連携活動は一定の成果を収めつつある」(山本氏)という現状を踏まえた上で、「データを使った分析を基にした産学連携の実態のしっかりした議論が、今後進む道を示唆するだろう」と講演をまとめた。