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 キヤノンは、グローバルシャッター方式のCMOSセンサー「3U5MGXSMAA」(モノクロ)、「3U5MGXSCAA」(カラー)を2018年10月1日に発売した(ニュースリリース)。出力イメージサイズは2/3型で、有効画素数は532万画素(水平2592×垂直2056)。工場の画像検査に使う工業用カメラや、ドローンに搭載する空撮用カメラなど、産業用での利用を狙っている。キヤノンが、グローバルシャッター方式のCMOSセンサーを外販するのは初めてとなる。

図1 キヤノンが発売したグローバルシャッター方式のCMOSセンサー
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図1 キヤノンが発売したグローバルシャッター方式のCMOSセンサー
(出所:キヤノン)

 グローバルシャッターは、CMOSセンサーの画素内にメモリーを設け、全ての画素を同時に露光する方式。ベルトコンベヤー上を流れるワークなど、被写体が高速で移動する場合でも、ゆがみの少ない画像が得られる。また、空撮など、カメラ自体が高速に移動する用途にも適している。

図2 グローバルシャッター方式とローリングシャッター方式の違い
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図2 グローバルシャッター方式とローリングシャッター方式の違い
(出所:キヤノン)

 これに対し、多くの民生用デジタルカメラなどのCMOSセンサーが採用しているのは、ローリングシャッター方式。水平方向の1~数ラインごとに露光する方式で、製造コストが安い、解像度を上げやすい、ノイズが少ないといった利点がある。しかし、最初の露光と最後の露光に時間差が生じるため、高速移動する被写体などがゆがんで写ったり、フラッシュ撮影時に上下で明るさが違う画像になったり(フラッシュバンド現象)する場合がある。産業用カメラにおいては、移動するワークの動画を撮影して静止画を抽出することが多く、特にゆがみが出るのが難点だった。

120fpsでも消費電力は抑制

 フレームレートが高速で、高速移動するワークの検査用途などに向くのも新製品の特徴だ。全画素読み出しで120fpsの動画撮影ができる。一般に、フレームレートが高いと消費電力が増えるが、「独自の回路技術により」(同社)低消費電力を実現したという。「120fpsで撮影しても、同等クラスの競合製品の半分程度の消費電力で済む」(同社)。ドローンによる空撮などバッテリー駆動時の稼働時間が伸ばせる他、消費電力が少ない分放熱量も小さく、カメラ筐体の小型化にも寄与するとしている。