エイベックスのFinTech事業構想が動き出す。独自の電子通貨を使って、利用者が音楽コンテンツをキャッシュレス決済で購入したり行動に応じてポイントをためたりできるサービスを2019年4月に始める。

 ターゲットはクレジットカードを持たない若年層だ。キャッシュレス決済システムや利用者の行動データを自社で囲い込まず、コンソーシアム方式で他の企業にも提供。若年層の決済や行動のデータを押さえて、エンターテインメント中心の経済圏の構築を狙う。

コンテンツ主導で作る経済圏

 「目指すのはコンテンツやエンタメの業界が主導した経済圏作り。簡便なモバイル決済の仕組みも導入して、若年層が気軽にコンテンツを購入したりお気に入りのアーティストを応援したりできるようにする」。エイベックスの完全子会社であるエンタメコインの有田雄三社長は、こう意気込む。エイベックスはグループにおけるFinTech事業を担わせる目的で、2018年6月にエンタメコインを設立した。

エンタメコインの有田 雄三社長
エンタメコインの有田 雄三社長
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 同社が手掛ける事業は2つ。独自の電子通貨の発行と、消費者が同通貨をためたり買い物に使ったりするスマートフォン向けサービス「エンタメウォレット」の開発・運用だ。電子通貨はプリペイドカード方式、つまり資金決済法における「前払式支払手段」として発行する。円との交換レートは1コインを1円などと固定し、銀行口座やATMなどからチャージできるようにする。

 併せて提供するエンタメウォレットは同通貨を使って利用者が音楽サービスを楽しむための「総合的なプラットフォーム」(有田社長)という位置付けだ。エイベックスが運営するEC(電子商取引)サイトでの買い物やパートナー企業のコンテンツ購入、友人と交流するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、同ウォレットの利用状況に応じてたまるポイントの管理といった機能を備える。

エンタメコインの決済サービスとECサービスの概要
エンタメコインの決済サービスとECサービスの概要
(出所:エンタメコイン)
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