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 日本郵政がAI(人工知能)の導入を拡大している。傘下のゆうちょ銀行が2019年中にも、コールセンターの顧客対応支援にAIシステムを採用する方針だ。すでにかんぽ生命保険が保険金の支払い審査やコールセンターで米IBMのAIシステム「Watson(ワトソン)」を活用している。日本郵政はAIを中心に最新技術をグループ横断で取り込み、業務効率を引き上げたり、サービス品質を高めたりする計画を推し進める。

 「人手でやっていた業務をAIで代替できれば、社内の業務効率だけでなく、顧客への対応スピードも上げられる」。日経コンピュータのインタビューに応じた日本郵政の小松敏秀副社長はこう力を込める。

日本郵政の小松敏秀副社長
日本郵政の小松敏秀副社長
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 まずグループでAI導入に踏み切ったのがかんぽ生命だ。2017年3月から、保険金の支払い審査にWatsonを使い始めた。システム基盤としてIBMのパブリッククラウド「IBM Cloud」内にかんぽ生命専用のベアメタルサーバー(物理サーバー)を準備し、セキュリティーを高めた。

 具体的には、顧客からの保険金請求に関する書類をテキストなどに変換し、Watsonの自然言語処理で内容を解析したうえで、過去の事例を踏まえて判断結果と類似の事例を表示するという流れだ。その後、Watsonが示した結果などを基に審査担当者が最終判断を下す。現在、学習の精度は9割ほどで、審査担当者とほぼ同等レベルに達しているという。

 「(判断が難しい案件を扱える)ベテランの審査担当者はそれほど多くない」と小松副社長は話す。Watsonの支援を受けることで、比較的経験が浅い担当者でも難度が高い案件の判断を下せたり、顧客に対する応対スピードを速められたりする可能性が高まる。かんぽ生命は2017年4月からコールセンターの顧客対応支援にWatsonを使い始めている。