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 「サービス事業に集中して伸ばしていく。その大方針は変えていない。ただ、そのスピードは少し遅かったかもしれない」。2018年10月26日、富士通が開いた経営方針説明会で、就任4年目の田中達也社長に笑顔はなかった。冒頭のコメントは就任1年目に掲げた「営業利益率10%」「海外売上比率50%」という経営目標のうち海外売上比率50%を撤回するに至った誤算を問われての回答だ。

富士通の田中達也社長(左)と塚野英博副社長
富士通の田中達也社長(左)と塚野英博副社長
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 ITサービス事業に経営資源を集中し、電子機器や部品などの事業は富士通からの追加投資がなくても独り立ちできる経営基盤を整えてもらう――。2015年の就任以来取り組んできた、企業としての形を変える取り組みは「大きなヤマは越えた」(田中社長)。

 PC事業を中国レノボ・グループに、携帯電話事業をポラリス・キャピタル・グループに相次ぎ譲渡。2018年度に入ってからも半導体製造の三重富士通セミコンダクター、電子部品の富士通コンポーネント、半導体商社の富士通エレクトロニクスの譲渡を決めた。「これからは(ITサービス事業の)質を変える取り組みに集中していく」と田中社長は話した。

 その上で、田中社長は「ITサービス事業で2022年度に営業利益率10%を目指す」との数値目標を改めて設定した。2018年度に売上高3兆1000億円で約4%の営業利益率を見込む「テクノロジーソリューション事業」について、4年後の2022年度に売上高を3兆1500億円に増やし、営業利益率を10%まで引き上げるとした。

富士通が新たに打ち出した経営数値目標。海外売上比率50%という目標は当面除外する
富士通が新たに打ち出した経営数値目標。海外売上比率50%という目標は当面除外する
(出所:富士通)
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 同じ時期に海外売上高は1兆500億円から1兆円まで減る。国内事業を伸ばす想定だ。