米国の大手ヘリコプターメーカーである米Bell Helicopter(ベルヘリコプター)は、自律飛行可能な電動の垂直離発着(VTOL)機の実現に向けた動きを加速させている。同社は2018年10月、この分野における大手企業との協業を立て続けに2件発表した。
1つは、フランスThales(タレス)との提携である。ベルは、VTOL機や、同機を利用した「エアタクシー」などの「オンデマンド・モビリティー(ODM)」に向けたフライト・コントロール・システムの開発で、フランスThalesと協業する(発表資料)。この提携には、パイロットが操縦するVTOL機に加えて、自律飛行タイプのVTOL機に向けたフライト・コントローラー・システムを実現する狙いがある。
ベルはかねてから、将来の新たなモビリティーとして、エアタクシーや「空のライドシェア」に向けた電動VTOL機の開発に力を入れている。例えば、ウーバーが2023年に商用サービス開始を目指している空のライドシェア「uberAIR」に向けた電動VTOL機の開発で同社と協業している(関連記事)。
タレスは、民間航空機や軍用機のアビオニクスや航空交通管理システムを手掛ける大手企業である。同社も、今後、急成長を期待できるVTOL機分野の研究開発に力を入れているという。プレスリリースの中で、同社 Canada's Aerospace DivisionでVice Presidentを務めるMichel Grenier氏は、「タレスは自律運転(飛行)の分野で主導的な立場にある」と自信を見せている。