台湾ガイウス・オートモーティブ(Gaius Automotive)は商用の3輪電気自動車(EV)を開発した(図1、2)。前1輪後ろ2輪の屋根付きで、後輪駆動で走行する。1充電当たりの航続距離は105km。2019年夏に台湾市場に投入し、欧州市場に展開する計画だ。日本市場での発売は未定だという。
小型EVトラックやEVバンを使う都市部での配送業務では「1日当たり100~200km走行できれば十分」(日本の物流事業者)との意見がある。Gaius Automotiveの3輪EVは、小口配送の中でもさらに走行距離が短い領域を狙う。警察や消防、救急車両としての展開も見込む。
車両後部には積載容量440Lで積載質量200kgの荷室を搭載。開発の段階から欧州市場に焦点を当て、「欧州で最も使われるサイズで設計した」(Gaius Automotiveの開発担当者)という。車両寸法は全長2500×全幅940×全高1850mmで、排気量125ccのスクーターと同程度の大きさだ。小回りが利き、欧州の狭い路地裏まで入り込める。
同開発担当者は「欧州の商用EV市場は確実に大きくなる。積極的に販路を開拓したい」と意気込む。背景には欧州の環境規制の強化がある。ドイツやフランスなどは、特定の都市にディーゼルエンジン車で乗り入れること禁止する見通し。排ガスを出さないことに加えて、エンジン音のない静かな走りがEVの魅力だ。朝や夜の住宅街でも走行しやすく、地域住民の生活に負荷を与えにくい(関連記事:小型商用EVが続々登場、ディーゼル規制が契機に)。