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 化粧品のOEMを手掛ける天真堂は、「IoT化粧品容器」の開発を進めている。化粧品の容器に残量を検知するセンサーと無線通信モジュールなどを取り付けて、ユーザーによる化粧品の使用状況を取得できるシステムを2020年までに実用化したい考えだ。同社代表取締役社長 児玉和之氏は「2030年頃までに、IoT化粧品容器を一般的なシステムとして普及させたい。」と話す。

 このIoT化粧品容器は、2つのセンサーを搭載する。1つは蓋の開閉センサー、もう1つは容器底に取り付けた残量センサーだ。これらのセンサーのデータから、1回の使用量や残量を計測する。残量センサーの候補としては、質量センサーまたは光センサーを想定している。質量センサーは0.1g単位で計測ができるという。

質量センサーを採用したIoT化粧品容器
質量センサーを採用したIoT化粧品容器
スマートフォンのアプリで質量の変化を確認できる
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光センサーを採用したIoT化粧品容器
光センサーを採用したIoT化粧品容器
同社では利便性から蓋の内側に鏡を配置する容器を想定していた。光センサー方式では、容器底面にあるLEDの光をこの鏡で反射し、反射光の強度から残量を推定する仕組み
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 計測データは、蓋の開閉をトリガーにしてBluetooth通信モジュールを介してスマートフォンに送られ、さらにサーバーに送られる仕組みだ。ネックになるのは、この通信モジュールのコストだとする。児玉氏は「容器にBluetooth通信モジュールを搭載すると、今は最低でも800円ほど容器の価格に上乗せすることになる。現在の10分の1程度の価格になれば、実用化が見えてくる」と話す。