ポストDash Buttonが続々開発
これまでもプリンターのインクなどで、装置が残量を検知してネット通販へとつなぐサービスがあった。一方、計量の手間を省く目的に向け消耗品の計量を自動で行う機器も出てきている。パナソニックは液体洗剤・柔軟剤の自動計量・投入機能を搭載したドラム洗濯乾燥機「NA-VX9800L/R」を2017年10月に発売した(関連記事「パナソニック、家電IoT化進めて“超時短”」、プレスリリース)。料理レシピ検索サービスのクックパッドは、ソニー出身者が考案した「調味料計測器」を試作した(関連記事「クックパッドがIoT調理家電、開発者が語る強みと狙い」)。こうした自動計量機器は注文機能との相性は良い。実際に、資生堂は個人の肌状況に応じた最適量の美容液などを吐出する専用システム「Optune」の試験販売を行っている(関連記事「資生堂、個人に最適化したスキンケアを提供する専用機器を販売開始へ」)。同システムでは、ユーザーは月額利用料を支払い、使用状況に合わせて化粧品カートリッジが送られてくる仕組みを採用する。
消耗品を自動で注文する機器が広がれば、適量を吐出する機能を持たない一般的な製品でも自動で残量を調べて注文してほしいという要求が高まる可能性がある。日用品のネット通販価格比較サイトを手掛けるスマートショッピングは、飲料など食品の残量を検知して自動で注文するIoT機器「スマートマット」を使った法人向けサービスを2018年10月に開始した(関連記事「重さを監視して自動発注するマット、スマートショッピングが法人向けに」、同「飲食店や家庭で在庫管理をIoT化するマット、“京都製”で実現」)。
今回のIoT化粧品容器には適量を吐出する機能などはないものの、大きさや見た目は従来製品とほぼ同じといった利点を持つ。児玉氏は「分割する構成のためジャータイプの容器を想定しているが、中身については食品などにも対応を広げたい」とした。