夜間の歩行者を対象にした自動ブレーキ試験で、イスラエル・モービルアイ(Mobileye)の牙城が崩れた。同社の画像処理チップ「EyeQ3」を単眼カメラに使うシステムは、昼間の歩行者を対象にした自動ブレーキ試験では圧倒的な強さを見せていた(関連記事)。
これに対して夜間の歩行者を対象にした試験では、トヨタ自動車やホンダ、スズキなどのEyeQ3を使わないシステムの結果が、EyeQ3を使うシステムを上回った。
国土交通省と自動車事故対策機構(NASVA)が2018年11月29日に発表した「自動車アセスメント(JNCAP)」の予防安全性能の試験結果によると、夜間の歩行者を対象にした2018年度上期の自動ブレーキ試験で、トヨタのハッチバック車「カローラスポーツ」とホンダの軽ワゴン「N-VAN」が最高点を獲得して1位となった(表)。
順位 | 車種名(メーカー名) | 点数(40点満点) | システム名 | センサー | サプライヤー |
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1 | カローラ スポーツ(トヨタ) | 40 | Toyota Safety Sense(第2世代) | 単眼カメラ、ミリ波レーダー | デンソー |
1 | N-VAN(ホンダ) | 40 | Honda SENSING | 単眼カメラ、ミリ波レーダー | ドイツBosch |
3 | ソリオ(スズキ) | 39.6 | スズキセーフティサポート | ステレオカメラ | 日立オートモティブ |
4 | フォレスター(スバル) | 37.8 | アイサイトver.3 | ステレオカメラ | 日立オートモティブ |
5 | アテンザ(マツダ) | 28.3 | i-ACTIVSENSE | 単眼カメラ、ミリ波レーダー | カナダMagna |
6 | ekスペース(三菱自動車) | 19.3 | e-Assist | 単眼カメラ | ドイツZF |
3位はスズキの小型の背高ワゴン「ソリオ」、4位はSUBARU(スバル)の中型SUV(多目的スポーツ車)「フォレスター」である。1位から4位まではいずれも、EyeQ3を使わないシステムを搭載する。EyeQ3を使う単眼カメラを搭載する車種の最高位は、5位に入ったマツダのセダン/ステーションワゴン「アテンザ」だった。