電気自動車(EV)ベンチャーのイタリア・エストリマ(Estrima)は、小型4輪EV「Biro」をグローバルで展開中だ。着脱式で質量26~27kgのリチウムイオン電池パックを搭載する。女性が1人で電池を運べるように、キャリーケースのような取っ手と車輪を付けて利便性を高めている。車両後部から10秒以内で着脱できるようにした(図1)。

図1 着脱式で質量26~27kgのリチウムイオン電池パックをキャリーケースのように運ぶ
図1 着脱式で質量26~27kgのリチウムイオン電池パックをキャリーケースのように運ぶ
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 取っ手や車輪は取り外す必要がなく、そのまま車両後部に挿入する。挿入後に、取っ手をたたんで収納する。電池用のドアには鍵を設けて盗難のリスクを下げた。

 電池パックの容量は4kWhで、1充電当たりの航続距離は55km以上だという。欧州都市部での片道数kmという短距離移動を想定して開発した。自宅やオフィスなどに電池を運び、家庭用の100Vコンセントで充電できる。充電時間は2~4時間。駐車場に充電設備を設ける必要が無く、安価で導入しやすい利点がある。

 充電した予備の電池を準備して「交換式」にしておけば、車両の非稼働時間を数百分の一に短縮できる。「電池の充電を忘れて次の日の朝に途方に暮れた」(都内の乗用EV利用者)といったEV利用時の不安を減らす。

 着脱式の電池を交換して使いやすくする仕組みは長らく海外勢が先行していたが、日本でも2輪車から本格的に適用が始まりそうだ。ホンダは2018年11月30日から、排気量125ccクラスのEVスクーター「PCX ELECTRIC」のリース販売を開始し、企業や官公庁を中心に提供している。電池交換の仕組みも試験段階に入っている。

 ヤマハ発動機は台湾ベンチャーのゴゴロ(Gogoro)と組んで、2019年夏から台湾で電池交換式のEVスクーターを発売する。Gogoroが台湾で900カ所以上整備しているような、電池を充電してシェアリングするステーション(拠点)づくりにも注目が集まる。