PR

 アパレル大手オンワードホールディングスの事業会社であるオンワード樫山(以下、オンワード)がアパレル通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」への出品を取りやめたことが日経コンピュータの取材で分かった。オンワードは2018年12月25日から 「組曲」「23区」「自由区」「ICB」など主要ブランドのZOZOTOWNでの販売を停止。オンワードによれば、退店に向けて準備しているという。

 ZOZOTOWNで対象ブランドを検索すると、「只今、当該ショップの販売を停止しております」「販売再開時期に関しましては、現在未定となっております」などと表示される。ZOZOTOWNを運営するZOZOが2018年12月25日に開始した有料会員サービス「ZOZOARIGATOメンバーシップ」の販売条件を巡って、両社の意向が折り合わずに決別したようだ。

ZOZOTOWNで対象ブランドの販売停止を知らせる画面
ZOZOTOWNで対象ブランドの販売停止を知らせる画面
[画像のクリックで拡大表示]

 ZOZOARIGATOメンバーシップは年会費を支払った利用者に対して常時10%割引で販売する会員制の新サービスである。ZOZOは日経コンピュータの問い合わせに、「商品の表示・非表示などの意思決定はブランド側にある」(広報)と回答した。

 オンワードはグループ全体でEC事業に注力しており、売り上げを着実に伸ばしている。オンワードホールディングスの2018年3~8月期のECでの売上高は113億7700万円で前年同期比31.4%増だった。2019年2月期の予想は同35.7%増の275億700万円を見込む。特徴的なのは、EC全体の売り上げに占める自社EC「ONWARD CROSSET」の割合が75%と高い点だ(2018年2月期)。一般的にアパレル業界はZOZOTOWNを中心とした外部サイトに依存するケースが多く、自社ECの比率が7割を超えるのは珍しい。

オンワードの自社EC「ONWARD CROSSET」
オンワードの自社EC「ONWARD CROSSET」
[画像のクリックで拡大表示]

 2018年8月にはEC倉庫を習志野物流センターに統合して在庫管理を効率化したほか、11月1日には公式アプリをリニューアルするなど、ECへの投資を加速している。人材面も強化し、2018年9月1日付で常務執行役員に村田昭彦氏を迎え入れた。村田氏はセレクト大手のベイクルーズグループでEC事業を率いて同社のEC売上高を急成長させた立役者だ。オンワードは「ZOZOTOWN頼み」にならないよう、EC事業を拡大するための体制を着々と整えてきている。

 オンワードホールディングスはワールド、TSIホールディングス、三陽商会を含む国内アパレル大手4社の筆頭格だ。オンワードのZOZOTOWN退店が、業界に与える影響は少なくない。