米ウエスタンデジタル(Western Digital、WD)プロダクトマーケティング担当ディレクターのラッセル・ルーベン氏は「オートモーティブ ワールド2019」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)の関連セミナーで車載向けの3次元NANDフラッシュメモリーについて講演した。
同氏はまず現在の車載機器に搭載されているNANDストレージの概要を示した。いずれもさほど大容量ではなく、信頼性や高速性もそれほど必要ない。例えば、インフォテインメント(車載情報機器)の場合、容量は8~128Gバイトで「32Gバイトが最も多い」(同氏)。特定のデータを頻繁に読み出すことから、隣接ブロックのデータ破損を考慮する必要があるものの、「それほど高い信頼性は求められない」(同氏)という。
ところが、将来の車載機器ではNANDストレージへの技術的な要求水準が一気に高まる。例えば今後、インフォテインメントでは1個のSoC(System on Chip)上で複数のOSを動かす仮想化(ハイパーバイザー)が導入される。その場合、NANDストレージの容量は256G~1Tバイト以上に増え、読み出しだけでなく、書き込みの頻度も高まる。高い信頼性が求められると同時に、複数のOSを動かすためにNANDストレージのアクセス性能も高める必要がある。