ファミリーマートが共通ポイント「Tポイント」運営会社の株式売却を検討していることが日経 xTECH/日経コンピュータの取材で明らかになった。引き金を引いたのは、ファミマがTポイントに加えて、楽天とNTTドコモの共通ポイントを採用する方針を固めたことにある。企業が複数ポイントを導入する「マルチポイント」が加速すると、共通ポイント業界の勢力図が一変する可能性がある。
Tポイントを運営するのはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下の「Tポイント・ジャパン(TPJ)」だ。TPJの株主とそれぞれの出資比率は、CCC子会社のCCCマーケティングが約50%、ソフトバンク・ヤフー連合が約35%、ファミマが約15%である。出資企業は自社の店舗やEC(電子商取引)サイトにTポイントを導入しており、いわゆる「Tポイント陣営」の中核をなす。
中核企業の1社であるファミマが年内にもTPJの全株式を売却する方向で関係企業などと協議している。CCC側が買い取る案が有力で、売却額は100億円規模との見方がある。
ファミマがTポイントを導入したのは2007年だ。CCCがTポイントを始めた当初、コンビニではローソンが加盟していた。その後、三菱商事が自前で共通ポイント事業に乗り出すことになり、ローソンが離脱。離脱の知らせを受けた直後にCCCの増田宗昭社長がファミマの上田準二社長(当時)を口説き落とし、提携をまとめたとされる。
TPJへの出資にまで踏み込んだのは2015年だ。ファミマがTPJの株式を15%取得し、取締役も派遣した。両社の協力関係は一段と深まった。