村田製作所は、60GHz帯向けのRF(無線周波)アンテナモジュールを開発、量産を始めた(発表資料)。免許不要の無線LAN規格「IEEE802.11ad」に対応しており、1チャネル当たり最大4.62Gビット/秒のデータ伝送が可能である。同社が得意とするセラミックス多層基板技術を応用した。5G(第5世代移動通信システム)の基地局間通信など幅広い用途での採用を見込む。

開発品は、低温焼成セラミックスLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)で形成した多層基板をベースとしている。複数のアンテナ素子を実装していると見られ、ビームフォーミングを実現する。それにより鋭い指向性の電波(ビーム)を形成して、遠方との安定した通信を可能にしている。60GHz帯では一般には減衰が大きく通信距離が10mほどにとどまる場合があるが、今回のモジュールでは複数組み合わせて屋外で最大100mの通信が可能とする。