全1507文字
コネクテッドカーはコストがかかるだけで、収益につながらない――。クルマに通信機を搭載してインターネットに常時接続する機能をユーザーに提供するには多額の投資が必要になるが、収益化は見えていない。自動車メーカーは半信半疑の状態を脱し、コネクテッドカーにまつわる事業で利益を生めるようにできるか。
各社が知恵を絞る中で、3つの収益源を軸にコネクテッド事業を黒字化しようとしているのがトヨタ自動車である。同社は2016年11月にコネクテッド戦略を発表し、「モビリティーサービスプラットフォーマー」(同社)として新たなる成長戦略を描いていく方針を掲げた。
「コネクテッド戦略をスタートさせて2年が経ったが、手応えを感じている」。こう語るのはトヨタ副社長の友山茂樹氏だ(図1)。同氏は2019年2月6日、2018年度第3四半期累計(2018年4~12月)の連結決算会見でコネクテッド戦略の現状を説明した。
友山氏が手応えの根拠としている指標が「投資効果額」(同氏)だ。投資効果額は、コネクテッド事業に関連する収益と業務改善効果の合計から、関連する投資額を引いたもの。同氏によると、「投資効果額の計画と実績を常に把握しており、投資効果と投資額のバランスを見ながら進めている」という。