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東大発のベンチャー企業であるオルガノサーキット(千葉県柏市)は、フレキシブル基板上に作製した有機TFT(薄膜トランジスタ)で駆動するLEDディスプレーを開発し、2019年1月30日~2月1日に東京ビッグサイトで開催された展示会「JFlex」で点灯デモを実施した(図1)。
有機TFTは、東京大学教授の竹谷純一氏の研究室が開発した。化学的に安定で溶解性を持つ有機半導体材料を使用し、印刷プロセスによってフレキシブル基板上に高性能なトランジスタを作製した(図2)。10cm2/Vs以上の電子移動度が得られたことで、今回LEDディスプレーへの適用が可能になった。
この有機半導体材料を大面積塗布結晶化法によって、ナノスケールレベルでの平坦(へいたん)性を持たせながら、二分子層膜単結晶分子薄膜を形成することにより、高性能なTFTを形成することができる。今回は、370mm×470mmの5層のPENフィルム基板上に配線回路と共にTFTアレイ回路を形成し、その上にLEDチップを配列することで、フレキシブルLEDを実現することに成功した。この大型多層フレキシブル基板への印刷技術もオルガノサーキットが独自に開発した。