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 リコー子会社のリコーインダストリアルソリューションズは、車載HUD(ヘッド・アップ・ディスプレー)の光学表示系ユニットを開発した。レーザー光でイラストを描き、道路や障害物に重ねるように映すAR(拡張現実)表示を可能にする(図1、2)。一般的なHUDに比べて色の再現度を高めて約4倍鮮やかにしたという。明るく見やすくする。2020~2021年の量産を目指す。

図1 リコー子会社のHUD光学表示系ユニットは拡張現実(AR)表示を可能にする(出所:リコーインダストリアルソリューションズ)
図1 リコー子会社のHUD光学表示系ユニットは拡張現実(AR)表示を可能にする(出所:リコーインダストリアルソリューションズ)
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図2 道路や障害物に重ねるようにイラストを映す(出所:リコーインダストリアルソリューションズ)
図2 道路や障害物に重ねるようにイラストを映す(出所:リコーインダストリアルソリューションズ)
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 HUDとは、車両の速度や経路案内などの情報を、運転者の視点から2~3mほど先に虚像として映す車載機器だ。光源からの映像を機構内部で数回反射して拡大し、フロントウインドーやコンバイナー(表示部)に映し出す。運転者はカー・ナビゲーション・システム(カーナビ)やセンターメーターに視線を移すことなく、必要な情報を得られる利点がある(関連記事:クルマにAR、2017年に実用化)。

 リコー子会社が開発したのは、同社が強みとするレーザー光を採用した光学表示系ユニットで、HUDの性能を決める重要部品の1つだ(図3)。「レーザー光でイラストを描くHUDはまだ量産車には載っていない」(同社オートモーティブ事業部事業戦略室室長の別所大介氏)として、自動車メーカーやHUDメーカーへの供給を目標とする。2軸のMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーを1個搭載。3色のRGB(赤・緑・青)レーザー光をMEMSミラーに当てて、縦方向と横方向にレーザー光を制御してイラストを描く。1秒間に60フレーム以上を描写しているという。

図3 リコー子会社が開発したHUDの光学表示系ユニット(出所:リコーインダストリアルソリューションズ)
図3 リコー子会社が開発したHUDの光学表示系ユニット(出所:リコーインダストリアルソリューションズ)
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 レーザー光を使うと、安価で一般的なバックライト付きTFT(薄膜トランジスター)液晶ディスプレーを使った場合に比べて、イラストをARで見せやすくなる。描きたいイラストの形に合わせてレーザー光を制御する。動きや色の変化を表現しやすい。TFT液晶ディスプレーの場合、バックライトのLED(発光ダイオード)量を数倍に増やせばレーザー光と同水準の鮮やかさを実現できるようだが、ディスプレーを数個のブロックに分けて明るさを制御することになる。イラストの動きに違和感が出やすい。