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 植物由来の繊維であるセルロースナノファイバー(CNF)を利用した自動車部品を開発する環境省事業「Nano Cellulose Vehicle(NCV)プロジェクト」が大詰めを迎えている(図1)。同プロジェクトは、原料の木材から最終製品である自動車までを一連の流れで製造して二酸化炭素削減効果などを2020年までに評価するというもの。デンソーやアイシン精機、京都大学などが参画しており、その一環でCNF製の外板や内装部品などを搭載したクルマを「東京モーターショー 2019」で披露する予定である。

CNF 木材などの植物繊維を化学的・機械的な処理によってほぐした、直径が3~数十nmの繊維のこと。このCNFを樹脂に混ぜて成形すると、軽量で高強度なCNF強化樹脂ができる。自動車分野ではCNF強化樹脂によって内外装部品などを軽量化するための開発が活発になっている。

図1 「第395回 生存圏シンポジウム」の自動車部品ブース
図1 「第395回 生存圏シンポジウム」の自動車部品ブース
CNFを利用した自動車部品の開発品が並んだ。(写真:日経 xTECH)
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 NCVプロジェクトのプロジェクトリーダー(PL)を務めているのが、京都大学生存圏研究所生物機能材料分野特任教授の臼杵有光氏である(関連記事:CNFで自動車造り、2020年代前半に実用化)。同氏はCNFに関するカンファレンス「第395回 生存圏シンポジウム」(2019年3月4日、主催:京都大学生存圏研究所)に登壇。新材料であるCNFを用いて、部品単体ではなく、CNF製部品を搭載した自動車の開発を進める目的を語った。

 目的は以下の4つ。(1)自動車部品個々の性能評価だけでなく、車両設計や擦り合わせなどを通して完成車への実装に関する評価ができる、(2)一般社会や自動車業界に対してCNF適用の意義を示すとともに、完成車を通してCNF製自動車部品の実現可能性を訴求できる、(3)CNFの有用性を社会に訴求し、自動車分野以外での社会実装を推進できる、(4)海外に対してものづくり力や環境対応能力をアピールできる、というものだ。