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 高い処理能力の利用先としてVolvoが着目しているのが自動運転である(図3)。同社は2021年に「レベル2+」の自動運転の実用化を目指す。レベル2+は、従来の先進運転支援システム(ADAS)よりも自動化を進めたもので、高速道路での自動運転を実現する。360度の周囲認識と運転者監視システムを独自に統合した自動運転機能になるという。

図3 NVIDIAのSoC「Xavier」。GPU、CPU、ISP(イメージ・シグナル・プロセッサー)、ビデオプロセッサー、PVA(プログラマブル・ビジョン・アクセラレーター)、DLA(ディープ・ラーニング・アクセラレーター)の6種類のプロセッサーを集積する。(出所:NVIDIA)
図3 NVIDIAのSoC「Xavier」。GPU、CPU、ISP(イメージ・シグナル・プロセッサー)、ビデオプロセッサー、PVA(プログラマブル・ビジョン・アクセラレーター)、DLA(ディープ・ラーニング・アクセラレーター)の6種類のプロセッサーを集積する。(出所:NVIDIA)
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 高速道路以外では、自動駐車機能の開発に力を入れる。VolvoのWallin氏は「駐車は苦痛だ」と断言する。同社によると、63%の運転者は駐車が面倒なことを理由に運転を回避したいと思っているという。都市部では、「駐車場を探すのに平均で20分もかかる」(Wallin氏)ことが常態化しており、「貴重な時間を無駄にしている」(同氏)状況にある。

30m先の駐車スペースを把握できる

 こうした問題を解決するため、VolvoはXavierが持つ高い処理能力を使って自動駐車機能の改良を進める。具体的には、駐車可能な空間を探し出す時間を短縮する。実用されている自動駐車は、車両側方のドアミラー部に配置したカメラで駐車スペースを見つけている。

 このため、「遅いスピードで走る必要がある上に、検知距離が短いため駐車スペースに近接しないと見つけられない」(Volvo Senior Research EngineerのSihao Ding氏)課題があった。これに対し、Volvoが開発を進めている自動駐車機能では、前方監視用のカメラのデータを使う。Ding氏によると、「30m先の駐車スペースをリアルタイムに認識できる」という。

 「2025年までに、新しいVolvo車に乗ることで、これまで運転操作に費やしていた時間を年間で1週間分取り戻せるようにする」――。Volvoが掲げている目標である。“駐車の苦痛”を解決することが、目標を達成する上で重要な要素になりそうだ。