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 オムロンは、ばね構造の配線方式「プッシュインPlus端子台」を採用したFA用制御機器群の第5弾として、温度調節器「形E5DC-B」シリーズやターミナルリレー「形G6D-F4PU/G3DZ-F4PU」シリーズなど6カテゴリー・181形式を発売した(図1・2ニュースリリース)。1工程で接続できるプッシュインPlus端子台を利用することで、制御盤の製作において省スペースと工数削減を図れる。

図1:温度調節器「形E5DC-B」シリーズ
図1:温度調節器「形E5DC-B」シリーズ
(出所:オムロン)
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図2:ターミナルリレー「形G6D-F4PU/G3DZ-F4PU」シリーズ
図2:ターミナルリレー「形G6D-F4PU/G3DZ-F4PU」シリーズ
(出所:オムロン)
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1工程で配線完了できるプッシュイン方式

 新製品が共通して採用しているプッシュインPlus端子台は、電線を挿し込むだけで接続できるプッシュイン方式の端子台をベースとする。同方式では、電線を突き当たるまで挿入するとクランプばねが自動で開き、これによって導電用金具に対して必要な圧力がかかって電線が固定される。フェルール端子(棒形圧着端子)付き電線や単線を使用する場合、1工程で配線できるのが利点だ。ただし、より線を使用する際はマイナスドライバーを使って3工程で配線する。

 同社はこの方式をさらに工夫し、挿しやすくかつ抜けにくくしたという。挿す際には「イヤホンジャックに挿し込むような感覚」(同社)を持たせて、作業負荷の低減と配線品質の向上を図った。樹脂部品とばねによって保持形状を最適化し、両手での作業を可能にしており、より線を直接配線する際に対象となる端子への狙いを定めやすい。ばねの機構を改善して抜けにくさも高めた。コネクター端子台変換ユニット「形XW2R」の引張強度は125Nと、ねじ端子台の112Nより高い。

 一般に端子台には、大きく分けて[1]ねじ端子台、[2]ねじなし端子台の2種類がある。[1]は端子ねじの頭部の下面で電線または圧着端子を締め付けて接続し、[2]は導電金具とばねの間に電線を挿入してばねの圧力によって接続する。プッシュインPlus端子台を含むプッシュイン方式は[2]に含まれる。

[1]には、圧着端子としてY端子や丸端子を使うもの、棒端子(丸棒形・角棒形)を使うものがある。いずれも工具でねじを緩めて端子を挿入した後、工具でねじを締めるという3段階の工程を要する。一方の[2]には、プッシュイン方式の他に「クランプ方式」があり、クランプ方式では工具を挿入して端子を挿入してから工具を抜くという3工程で接続する。