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 「参考にできる唯一のミッションだ」〔宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトのプロジェクトマネージャを務める津田雄一氏、図1〕。米航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-REx)」ミッションの担当者との会合を終えた取材会で、津田氏はこう強調した。

図1 はやぶさ2プロジェクトのプロジェクトマネージャを務める津田雄一氏
図1 はやぶさ2プロジェクトのプロジェクトマネージャを務める津田雄一氏
(撮影:日経 xTECH)
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 OSIRIS-RExミッションは、はやぶさ2と同様、小惑星からのサンプルリターンを目指すプロジェクトだ(図2)。いずれも現在、小惑星の上空に到着しさまざまな観測活動を展開中(はやぶさ2は2018年6月、OSIRIS-RExは同年8月に到着)。既に1回目のタッチダウンを終えたはやぶさ2がタッチダウンでは先行するが、両プロジェクト間の情報交換は貴重だ。津田氏は、「今回の会合では、着陸地点を選んでいく過程について情報交換した。互いに異なる戦略を選んでいるが、今後の2回目のタッチダウンを実施していく上で参考になる」と語った。

図2 はやぶさ2プロジェクトとOSIRIS-RExミッションの協力内容
図2 はやぶさ2プロジェクトとOSIRIS-RExミッションの協力内容
JAXAのプレゼンテーション資料を撮影したもの。(撮影:日経 xTECH)
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 小さくて地球からの詳しい観測が困難な小惑星のような小天体は、表面が砂地か岩場かなどは近くまで行ってみなければ分からない。探査機を守りつつタッチダウンによって着実にサンプルを採取するには、小惑星表面の状態を正確に把握し、より適した着陸地点を選定し、狙った地点に探査機を精度高くタッチダウンさせなければならない。そのために、小惑星探査という同じ目標を持つプロジェクト間で経験や知見を共有することは、大きな意味を持つ。