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 東芝デバイス&ストレージ(以下、東芝)は、ビジネス用A4複合機に向けたCCDリニアー・イメージ・センサーの新製品「TCD2569BFG」を開発し、量産出荷を始めた(ニュースリリース)。既存製品では難しかったA3機並みの高画質や高処理速度を、新製品を使えば実現できるという。

今回の新製品。外形寸法は41.6mm×6.1mmで、22ピンのCLCC(Ceramic Leadless Chip Carrier)に実装した。東芝デバイス&ストレージの写真
今回の新製品。外形寸法は41.6mm×6.1mmで、22ピンのCLCC(Ceramic Leadless Chip Carrier)に実装した。東芝デバイス&ストレージの写真
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 複合機やコピー機では、画像読み取り用にCCDセンサーとCMOSイメージセンサーが使われている。前者は高画質で被写界深度が深い(厚みのあるものも読み取りやすい)ことが特徴である。一方で光学設計が難しかったり、読み取り機構が大きくなったりしがちといったウイークポイントを抱える。CMOSセンサーはこの逆で、光学設計が簡単で、読み取り機構は小型化可能。一方でCMOSセンサーはCCDセンサーに比べて画質が低かったり、被写界深度が浅かったりする(厚みのあるものは読み取りにくい)ことが弱みである。

 このような特徴から、CCDイメージセンサーは大きな事務所に置かれるA3複合機の本体側の読み取り機構(両面同時読み取り機の表面側読み取り機構)に採用されている。一方、CMOSセンサーは、A3複合機の上蓋側の読み取り機構(両面読み取り機の裏面側読み取り機構)や、中小の事業所に置かれるA4複合機の読み取り機構に採用されていることが多い(家庭向けの安価な複合機もCMOSイメージセンサーが使われる)。

両面同時読み取りのA3複合機では、CCDセンサーを本体側に、CMOSセンサーを上蓋側に使うことが多い。東芝デバイス&ストレージのスライド
両面同時読み取りのA3複合機では、CCDセンサーを本体側に、CMOSセンサーを上蓋側に使うことが多い。東芝デバイス&ストレージのスライド
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 A4複合機でも、A3機並みの画質や処理速度を実現したいという要望や、立体物をきれいに読み取りたいという要望に応えるべく新たに開発したのが、今回の新製品のTCD2569BFGである。東芝によれば、紙以外のコピーを取りたいという需要は意外に多いという。立体物(例えば、宝石)が同じ寸法基準で撮影できることがコピー機や複合機の強みで、これは高性能化が著しいスマートフォンのカメラでも簡単ではないとのことだった。

 TCD2569BFGのメインのターゲットは、まずハイエンドのA4複合機だとする。なお、業務用のハイエンドA4複合機の市場価格は120万~150万円と見られる(筆者推定)。東芝によれば、メインターゲットのほかに、新製品は広く複合機やスキャナー(スキャン用途)、計測器や選別機(センシング用途)を狙うとのことである。