全1838文字
PR

 「直近の3カ年は低い利益で停滞した。この反省を踏まえて、次の3カ年は事業ポートフォリオを見直すなどして利益を成長軌道に戻す」。パナソニックの津賀一宏社長は2019年5月9日に開いた決算説明会でこう宣言した。

パナソニックの津賀一宏社長
パナソニックの津賀一宏社長
[画像のクリックで拡大表示]

 同日発表した2019年3月期決算(国際会計基準)は売上高が8兆27億円(前年同期比0.3%増)、営業利益4115億円(同8.1%増)、純利益2841億円(同20.4%増)だった。大幅な増収増益だった前期に続いて、かろうじて増収増益を維持した。

 だが本業は好調とは言いがたい。「アプライアンス」「エコソリューションズ」「コネクティッドソリューションズ」「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」の4つのセグメント全てで営業利益が同9~40%の減益だったからだ。資産売却益や年金制度改定に伴う一時益などを計上し、全社トータルでようやく営業増益に持ち込んだ格好だ。

足を引っ張った住宅と家電

 利益水準の低迷は、2019年3月期の1年間だけではなく、直近3カ年を通した課題だった。津賀社長が停滞の原因として挙げたのが住宅事業と家電事業である。「収益を下支えするはずの事業で収益性が低下した」(津賀社長)。

直近3カ年の業績の総括
直近3カ年の業績の総括
[画像のクリックで拡大表示]

 事態打開に向け、2019年4月から始まる3カ年の新中期戦略で事業ポートフォリオを「大手術」し、パナソニックの各事業を「基幹事業」「再挑戦事業」「共創事業」の3つに分ける方針を掲げた。停滞を招いた住宅と家電は共創事業に位置付けた。自前での事業成長にこだわらず、地域や会社の枠を越えて外部と共創することで競争力を磨く方針だ。

2019年度からの新しい事業ポートフォリオ区分。住宅と家電は「共創事業」に位置付けた
2019年度からの新しい事業ポートフォリオ区分。住宅と家電は「共創事業」に位置付けた
[画像のクリックで拡大表示]