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 日本郵便がIT調達のコスト削減を加速させている。NTTデータ出身で、東京証券取引所・日本取引所グループのCIO(最高情報責任者)を務めた経歴を持つ鈴木義伯専務執行役員CIOは「ユーザー企業である当社が主体性を持ち、ベンダーロックインを避けて合理的な調達プロセスに変える」と取り組みの全体像を語る。

日本郵便の鈴木義伯専務執行役員CIO
日本郵便の鈴木義伯専務執行役員CIO
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 日本郵便と鈴木CIOが進めるのは特定のITベンダーに依存せず、調達単位を複数のベンダーに分割する「バラ発注」の徹底だ。第1弾として、ハードウエア保守費の削減に取り組んだ。2018年4月から、直近で保守契約が切れたサーバーとストレージ、ネットワーク機器の合計629台を対象に、メーカー保守から第三者保守に切り替えた。「機器購入費の○%」などと保守費を固定にしたメーカー保守を利用したままではコストは下がらないと考えたからだ。

 米第三者保守サービス大手のカーバチュアと契約した。料金は年間約2600万円で、従来比で保守費は8割削減したという。

郵便局向けインフラ刷新でコスト削減に挑む

 そして第2弾として新たに取り組んだのが、ハード購入とシステム基盤構築をバラ発注するというものだ。2019年4月から始めた「共通基盤2020」と呼ぶプロジェクトで初めてこの方針を適用した。従来の「基盤2017」に比べて、ハード・ミドルウエアの購入費と保守費の合計を5割程度削減できたとみている。

 共通基盤2020プロジェクトでは、全国約2万2000の郵便局で共通して使う業務システムの基盤を刷新する。現在、東京・世田谷の自社データセンターにあるハードを新品に置き換え、同時に外部のデータセンターに移設する。

 一般にこの種のプロジェクトでは、システム基盤構築の調達先を決めたら、ハード・ミドルウエアの選定・購入もセットにするケースが多い。日本郵便の場合、調達規模が大きいためシステム基盤構築を担えるITベンダーが限られる問題があった。過去10年間にわたりシステム基盤の調達案件では競争状態が発生せず、随意契約になったり入札を実施しても1社しか応札しなかったりする状況が続いていた。