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 中国平安保険(Ping An Insurance)は、同社の業務用コンピューターシステムについて、インテル(日本法人)のプライベートイベント「データセントリック・イノベーション・デイ」(2019年5月16日に東京で開催)で講演した。平安保険は中国の保険会社として最大の売り上げ規模があるとされる。1988年の創業の同社が短期間にトップの座についた大きな要因が、今回紹介されたコンピューターシステムによる業務の効率化である。

王 健宗氏。日経 xTECHが撮影。
王 健宗氏。日経 xTECHが撮影。

 登壇したのは、コンピューターシステムの開発・運用に携わってきたDeputy Chief Engineer and Senior AI Directorの王 健宗(Jianzong Wang/Hank Wong)氏である。同氏の発表によれば、平安保険の顧客数は1億8400万人(ちなみに、日本の総人口は1億2620万人)。これは中国人の8人に1人が同社の顧客であることに相当する。売り上げ規模も大きく、Fortune Global 500の2018年版で29位である。中国の保険会社としては、最上位にある(最も売上高が大きい)。

平安保険(グループ)の概要。各種保険業のほか、銀行業務なども行っている。同社のスライド
平安保険(グループ)の概要。各種保険業のほか、銀行業務なども行っている。同社のスライド
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 保険支払い件数も半端なく多い。1日当たり3万1000件。このうち98.7%の案件で、請求から1日以内に保険金が支払われているという。こうした膨大な処理を迅速にこなせるのは、王氏らが開発してきたコンピューターシステムのおかげである。同氏によれば、以前は、保険金の査定に時間がかかっていた。例えば、交通事故が発生して保険金の請求があった場合、保険会社から人が現場に出向いて事故の状況を把握する必要があった。

 事故がオフィスから遠く離れた場所で発生すると、請求の連絡があってから保険金が支払われるまでに1週間以上かかることは当たり前だったという。その間、事故の当事者は修理工場に事故車を出せない。「若いころは、自分も地方に事故車を見に行った。夏場は暑くて辛かった」(同氏)。

平安保険が開発運用しているソフトウエアの例。狭い意味のAIと言える機械学習/深層学習だけでなく、さまざまな基本的な解析ソフトウエアを「AI」と称している。同社のスライド
平安保険が開発運用しているソフトウエアの例。狭い意味のAIと言える機械学習/深層学習だけでなく、さまざまな基本的な解析ソフトウエアを「AI」と称している。同社のスライド
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