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 「知人から会社に来ないかとリファラル採用の誘いを受けた人の半分以上が選考を受けている」「さらにその7割がもともと自社に興味のなかった人だった」――。リクルートキャリアの調査でこんな驚きの結果が出た。

リクルートキャリアの調査によると、誘いを受けた人の半分以上が選考に進んだ
リクルートキャリアの調査によると、誘いを受けた人の半分以上が選考に進んだ
(出所:リクルートキャリア)
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 リファラル採用とは、簡単に言えば「社員に紹介してもらった人の採用活動」。最近はIT系ベンチャー企業のエンジニア採用手法の一つとして普及している。エンジニアは企業の垣根を越えて交流することが多く、社員のつながりを生かして紹介してもらうのが一般的だ。

 企業が社員の交流を積極的に後押しする動きも目立ってきた。費用をかけてエンジニアを対象にしたセミナーや勉強会を開き、終了後の懇親会で目を付けたエンジニアと仲良くなり、親交を深めた後に「ウチで一緒に働きませんか」と声をかける。

 サイバーエージェントなどのIT系をはじめ、デジタル関連の部門や子会社を持つ銀行や損保などの金融系、電気・ガスといったエネルギー系などがこの手法を採用している。特にAI(人工知能)人材のような貴重なデジタル人材はITベンチャーに限らず製造業や金融業でも不足しており、エンジニア間のつながりを駆使したリファラル採用が重要視されるようになってきた。

成功報酬が不要で低コスト

 リファラル採用のメリットは、選考に進む率の高さだ。冒頭のリクルートキャリアの調査で約半分とあったが、「ナビサイトで声をかけても選考に来てもらえる率は1割を下回ることがよくある」(中小企業経営者)。紹介を通じて多くの人材に会えるのは大きなメリットだろう。

 ナビサイトや人材紹介などの外部サービスを使った場合に比べ、コストも低い。一般に人材紹介の場合、採用した人の年収の20~30%ほどの費用が成功報酬としてかかる。単純計算で年収500万円の人を雇うと100万円以上の費用がかかるが、リファラル採用ならば紹介者への多少のインセンティブ程度で、それ以外の費用はほとんどかからない。