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他の車両とのインタラクション

 周囲の情報を予測しながら判断・操作を行っているのは自車だけでなく、他車も周囲の動きを考慮しながら運転している。そのため、ある車両の挙動の変化が他車の判断結果を変化させるような「インタラクション(双方向の干渉)」が起こり得る。例えば、合流車線から本線に入る際に、「先方にスペースを見つけて入ろうとしたら、本線の車両がスペースを詰めたため、その車両の後ろに入った」というシーンである。

 さらに、その後ろの車両もスペースを詰めてきたため、最初に入ろうと思っていたスペースよりかなり後方で合流するといったことも起こり得る。渋滞が激しかったり、車線数が多かったりすると、インタラクションに関わる車両の台数が増えるため、状態変化の組み合わせは膨大な数になってしまう。

 状態変化の組み合わせ数を正確に見積もることは難しいが、例えば前後方向の加減速に限って考え、行動の変化が加速・減速・等速(変化なし)の3パターンがあると仮定する。また、一般的な車載センサーの動作周期は10Hz程度であるため、0.1秒ごとに行動も変化し得るとする。

 このような条件で計算すると、1秒当たりの組み合わせ数は約6万通りにもなる注)。車両の台数が増えると行動の変化は2台で9パターン、3台で27パターンと台数のべき乗で増え、時間軸方向にも指数関数的に増大する。

注)実際の組み合わせ数はもっと少なくなる。あくまでも、問題の規模を見積もるための概算である。