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少量量産部隊へと変化するShiftall

 現在、Shiftallでは3タイプの開発が進んでいるという。1つはパナソニック社内向けの試作機。2つめは、今回のRGB_Lightやクラウドファンディングにより開発が進む集中力向上に向けたウエアラブル端末「WEAR SPACE」(関連記事)といった、パナソニックとの協業による製品である。そしてもう1つは、「CES 2019」関連展示会に出展したクラフトビール向けIoT冷蔵庫「DrinkShift」(関連記事)のような、同社が独自に企画から進める製品だ。パナソニックとの協業や独自製品など、少量量産を想定する製品が増えているとする。

 パナソニックとしての少量量産に向けた専門部隊化が進むにつれて、30人弱という規模では人員が足りないとして、7月からはShiftallとしてのエンジニア採用を始めた。電気回路分野から始めて、機構(メカ)、デザイン、プロダクトマネジャーなどの分野で2019年内に順次増員する予定だという。

 こうした少量量産を可能とした体制は、パナソニック本体にも影響を与えていきそうだ。則武氏は100BANCHからの製品化第1号となったRGB_Lightについて「価値があるのかどうか分からないものを世に出して問うてみる。こうした流れを1つ作った」と評価する。中田氏も「まず小ロットを世に出して、そのプロセスから次の一手を考えるという動きが、パナソニックの他の領域からももっと出てくるのではないかと思う」と話す。岩佐氏は「少量量産に関する設計や製造といったプロセスのノウハウは共有していく。パナソニックグループにとっても、良いサジェスチョンになると考えている」とする。

 Shiftallでは、量産規模の他、ブランド戦略などによりパナソニック本体とのすみ分けを図る。例えばRGB_Lightの場合、普及すると見込まれればパナソニックの照明器具ラインアップに加わるといったケースもあり得る。その場合、デザイン家電的なハイブランドはShiftallが担当し、店舗用や学校教育用といった製品をパナソニックが造るといったことを想定しているという。「Shiftallで作った製品の大量生産版や廉価版をパナソニックが造るという流れがあってよい。自動車業界では、高級車に搭載されていた機能が大衆車へと広がる。だからといって高級車の価値が下がるわけではない。高級車はより良い技術を取り入れるだけ。家電でも同じようにやっていきたい」(岩佐氏)。

発表会でRGB_Light開発秘話を披露
発表会でRGB_Light開発秘話を披露
左から則武氏、河野氏、岩佐氏、中田氏(撮影:日経 xTECH)
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