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韓国内部品メーカーに光

 半導体のチップメーカーが新製品を開発する場合、工程に含まれる部品・素材・装置の各メーカーもそれに合わせて新技術を開発し、全体として機能させる必要があることが多い。長期的な視野から新しい部品・素材・装置メーカーに投資したりテストしたりするより、早く利益を出すことを重視するチップメーカーは通常、取引先を変えようとしない。

 韓国のある部品会社の社員らは「今回、日本の輸出規制によって日本以外の取引先を見つけざるを得ない状況になったおかげで、韓国の部品会社にも日が当たるようになった。韓国の半導体業界を根本から変えられるチャンスになること、間違いなしだ」と話す。もちろん半導体もディスプレーも、全ての部品・素材を国産化することは不可能に近い。また“国産化”の意味は単に“韓国で生産する”ということではなく、実際の生産工程にも韓国産の装置を使用するという意味なので、時間がかかることもわかっている。特許も絡んでいる。それでもやるしかないチャンスが巡ってきた、ということだろう。

 7月11日にはロシア政府が韓国へフッ化水素を供給したいと提案したことが報道され、韓国産業通商資源部もこれを認めた。ロシア側は日本産と変わらない品質のフッ化水素を供給できると主張しているそうだが、サムスン電子や韓国SKハイニックス(SK Hynix)は今まで取引したことがないので慎重に検討するとしている。中国産、台湾産、韓国産のフッ化水素もテスト中である。

 生産工程に新しい部品・素材を適用するには、工程最適化テストや生産ラインに全面導入するためのテストなど、テストだけで2〜6カ月はかかる。サムスン電子やSKハイニックスは日本から輸入した部品・素材の在庫を使って生産する間、日本に代わる輸入先、または韓国の会社を見つけようとしている。一度部品・素材の取引先を変えると、日本の輸出管理のように国の方針が変わるほどの出来事がない限り、取引先をまた変えるということは難しいだろう。

 サムスン電子は7月18日、日本の輸出管理が発動されても新規半導体の量産計画は変更なく実行できることを示すかのように、世界初となる12Gビットチップを8個組み合わせた12GバイトのLPDDR5モバイルDRAMを7月末から京畿道華城半導体工場で量産すると発表した(同社のニュースリリース)。これは競合他社より6~9カ月早い量産化とする。2020年以降は京畿道平沢半導体工場の最新生産ラインにも量産体制を構築し、本格的に大量生産を始めるという。12GバイトのLPDDR5モバイルDRAMは、現在のハイエンドスマートフォンに搭載されているLPDDR4Xより1.3倍処理速度が速く、LPDDR5は44Gバイトのデータを1秒で処理できる。

サムスン電子は12GバイトのLPDDR5モバイルDRAMを量産すると発表
サムスン電子は12GバイトのLPDDR5モバイルDRAMを量産すると発表
(写真:Samsung Electronics プレスリリース)
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